同じコンビニの店が近隣にも建つ理由 それはナゼ?
コンビニを見るときっと気づく、日本の経済と働く皆さんが元気になる兆しがある
■コンビニのライバルとなるのは他店舗のコンビニなのだろうか?
ドミナント出店で抗議しているオーナーは、本部から多店舗経営を打診されなかったオーナーたちも多いようです。ただし、本部も打診する相手を選んでいます。 実は、打診されなかったオーナーは、本部の目指す店舗の運営と乖離がある場合が多いのです。また、複数店の経営を望まないオーナーもいます。このため、ドミナント出店に苦しむオーナーたちに同情の声が集まることもありますが、私は一概に本部ばかりを悪者扱いするのは間違いだと思っています。
ただし、たとえオーナー側に打診されないような原因があったとしても、心情的には良くないことだとも思っています。新たにフランチャイズ法を策定し、同一チェーン出店の場合は、距離規制などを設ける必要があるかもしれません。また、近隣の同一チェーン出店の場合は、既存オーナーに、新店を運営するプライオリティを各コンビニ本部は与えるべきだとも思います。
しかし、こうしてオーナーを守ったとしても、今度は別の問題が浮上します。それは、コンビニ以外の業界からの出店です。「まいばすけっと」や「マルエツ プチ」 などの安売りのミニスーパーが出店すれば、コンビニは他社の競合店よりも苦戦を強いられます。ほかにも、周囲に弁当チェーンやファストフード、ドラッグストアが建てば、コンビニの需要は著しく下がるでしょう。
オーナーの心情を察してあげたいのは山々ですが、察した上で規制を設けると、 民主主義国家の自由競争が奪われてしまう。国が主導してエリア内に業種別の出店規制などを設けたとしたら、それは社会主義国家のようになってしまいます。
みんなが戦う自由を持つべきだと思う一方で、ドミナントに苦しむオーナーの心情を察するに余りあります。ドミナント問題は非常に難しいのです。
コンビニは日本の誰もが利用する、日本国民が作り上げた、世界最強のリアル小売業であり、そのことに異論を挟む人はいないでしょう。
ただし、昨今、コンビニ問題がネットでテレビのニュースで話題となっています。
いま必要とされている社会的課題との向き合いは、オーナー・本部ともに大変厳しい戦いとなります。そんな現状と処方箋を、日本の未来になぞらえて、この本を書きました。皆様が感じた異論反論・斬新なアイデアで、前向きな議論が活発化する機会になれば幸いです。
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【渡辺広明氏 出演情報】
2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載
2/8(土曜)テレビ朝日『サタデーステーション』20:54〜
2/12(水曜)BS日テレ『深層NEWS』22:00〜
2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』
2/20(木曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~
2/21(金曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53
『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)
少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。
全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。
1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。
2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。
この2点が本書の最大のおすすめポイントです。